お祝いごとにまつわる言葉「賀寿」

ことばから日本を知る

長寿のお祝い、賀寿・歳祝いについて

節目の年齢に長寿をお祝いすることを、賀寿がじゅ歳祝としいわいと言います
61歳(満60歳)を祝う「還暦」や、88歳を祝う「米寿」などはよく知られている歳祝いです。

賀寿の由来

賀寿は奈良時代に中国の風習を取り入れたのが始まりで、40歳を初老とし、10歳ごとに40歳、50歳になったことを祝っていたようです。

賀寿の初期の例として、715年に長屋王の「四十賀」、740年に聖武天皇の「四十賀」のように40歳の祝典を行った記録が残されています。
当時は供宴、奏楽等で祝われ、40歳であれば白馬40頭、薬師経(経典)40巻のように、その年数に合わせた数量の品物が贈られていたようです。

鎌倉時代(1185–1333)より「古希」や「喜寿」、「米寿」、「白寿」と更に長命な賀寿が生まれました。これは、鎌倉時代に藤原貞子という貴族の女性が107歳の長命を全うしたことがきっかけと言われています。この頃の年祝いはまだ貴族の間だけの風習でした。

還暦などの歳祝いが庶民に広まったのは室町時代(1336–1573)から江戸時代(1603−1868)の頃のようです。

江戸時代の「還暦」の年祝いは、長寿のお祝いというより「還暦」を迎えた家長が、隠居して家督を後継者に譲り、家系が絶えることなくさらなる繁栄を願う儀式といった意味合いが強かったようです。

現代の賀寿の傾向

平均寿命も長くなった現代では、60歳といっても現役で働いている方が多いため、「古稀」や「喜寿」で盛大に長寿をお祝いするのが一般的になっています。

また時代とともに長寿祝いの種類も増えてきました。

一番新しいものでは2002年に日本百貨店協会によって提唱された66歳の「緑寿ろくじゅ」というものがあります。

お祝いは誕生日か敬老の日が多いですが、本人の体調など考慮し、できるだけたくさんの人がお祝いできる日を選ぶといいようです。

賀寿は数え年?満年齢?

明治時代の頃まで、日本には「誕生日」という概念がなかったようで、年が明けると皆一律に一つ年齢を重ねる「数え年」が一般的でした。戦前まで数え年が主流で、満年齢が広まったのは昭和中期以降だそうです。

賀寿は日本古来よりの風習のため、正式には「数え年」で祝いますが、現在では満年齢で賀寿のお祝いをされる方も多いようです。

数え年と満年齢の違い

数え年 ・・・ 生まれた歳を「1歳」として「新年」を迎えるごとに歳を重ねる
満年齢 ・・・ 生まれた歳を「0歳」として「誕生日」を迎えるごとに歳を重ねる

 

賀寿の種類

賀寿のお祝いの年と、お祝いの色、名称のいわれなどをまとめてみました。

還暦(かんれき)

    数え年61歳 / 満60歳
    お祝いの色:赤色・朱色

還暦とは干支(十干十二支)が一巡し、再び生まれた年の干支に還る年で、数え年61歳(満60歳)のこと。

干支というと子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・・・の十二支を指して使われることが多いですが、干支とは正確には十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)のことを言い、組み合わせは60通りあります。
つまり、干支の十干十二支の組み合わせで暦を数えると、干支は60年で一巡し、数え年61歳で生まれた年と同じ干支に還るため、還暦といわれるようになりました。

十二支(じゅうにし):子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
十干(じっかん):甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸

昔は生まれたばかりの赤ちゃんに、魔除けの力があると伝えられる赤い産着を着せていたことから、「赤子に還る」と言う意味の「還暦」のお祝いに、赤いちゃんちゃんこ、赤い大黒頭巾、赤い座布団を贈り、健康や長寿を願ったと言われています。

それだけではなく、61歳は男女ともに大厄の年にあたることから厄払いという側面もあり、還暦のお祝いでは、魔除けを意味する赤色が選ばれたとも言われています。

 

緑寿(ろくじゅ)

    66歳
    お祝いの色:緑色

日本百貨店協会が2002年(平成14年)に提唱した新しい賀寿。
緑緑(ろくろく)という語呂合わせから緑がお祝いの色となっています。

 

古稀・古希(こき)

    70歳
    お祝いの色:紫色・藍色

中国の唐時代の詩人、杜甫の「人生七十古来稀なり」(70歳まで生きる人は古来、珍しく希少である)という詩の一節に由来しています。

 

喜寿(きじゅ)

    77歳
    お祝いの色:紫色・紺色・黄色

「喜」という字の草書体が七を3つ重ねた形になり、「七十七」と読めることに由来しています。室町時代から始まったと言われ本来は厄年の一つであったともいわれます。


 

傘寿(さんじゅ)

    80歳
    お祝いの色:黄色・金茶色

傘は「仐」とも書き、分けて書くと八十と読めることに由来しています。

 

米寿(べいじゅ)

    88歳
    お祝いの色:黄色・茶金色・ベージュ

「米」の字を崩すと「八十八」と読めることに由来しています。
実る稲穂からの連想とも言われています。

 

卒寿(そつじゅ)

    90歳
    お祝いの色:紫色

卒は「卆」とも書き、分けて書くと九十と読めることが由来しています。

 

白寿(はくじゅ)

    99歳
    お祝いの色:白

「百」から「一」を引くと「白」となることに由来しているとされています。

 

百寿・紀寿(ももじゅ・きじゅ)

    100歳
    お祝いの色:白・桃色

100歳のお祝いは一般的に百寿と呼ばれますが、ほかにも1世紀が100年であることに由来して「紀寿(きじゅ)」と呼ばれることもあります。

 

茶寿(ちゃじゅ・さじゅ)

108歳

「茶」の字は分けて書くと「十・十・八十・八」となり、それを全部足すと108(10+10+80+8)になることが由来しています。
お祝いの色は特に決められていません。

 

皇寿(こうじゅ・おうじゅ)

111歳

「皇」の字を分けて書くと「白」と「王」。「白」が白寿の99、「王」は「一」「十」「一」となり、99+10+1+1=111となることが由来しています。
お祝いの色は特に決められていません。

 

椿寿・珍寿(ちんじゅ)

112歳

  「大椿(だいちん)」という、中国に伝わる伝説上の大木についての「荘子」の記述「上古大椿という者あり、八千歳を以て春と為し、八千歳を秋と為す」から、「とても長生きすること」という意味で、数え年110歳の賀寿の呼称としたようです。
また、「これほどの長寿はとても珍しい」という意味で、「珍寿」ともいわれます。
お祝いの色は特に決められていません。

 

大還暦(だいかんれき)

数え年121歳 / 満120歳

「還暦」からさらに60年、二度目の還暦を迎えたということ。
お祝いの色は特に決められていません。

 

天寿(てんじゅ)

250歳

天寿(てんじゅ)とは、天から授けられた、または天が定めた寿命とされる250歳に、「天寿を全うする」としてこの言葉が使われます。
お祝いの色は特に決められていません。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました