細く長く、来年も幸せをそばからかき入れるという想いで食べられている年越しそば。
年を越す前に食べ切らないと、来年の金運に恵まれないと言われています。
そもそも、なぜ年越しそばを食べるようになったのか?その由来
年越しそばの歴史は鎌倉時代から
諸説あるようですが、年越しそばの起源は鎌倉時代とされています。
鎌倉時代に博多の承天寺(じょうてんじ)というお寺で年を越せない程貧しい町人に、「世直しそば」と称してそば粉でできた餅を振る舞いました。
すると翌年から、そば餅を食べた人々の運気が向いてきたことから、そば餅を食べれば良いことがあるという噂が広まったそうです。
それから毎年「運気そば」として大晦日にそばを食べるならわしが生じ、江戸時代には庶民の間に定着して現代に至っているとされています。
「年越しそば」という呼び名が全国的に広まったのは明治以降のようです。
他にもある年越しそばの言い伝え
長命そば
おそばのようには細く長く過ごせることを願い食べられるようになったとする説
不老長寿そば
江戸時代に著された『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』に「蕎麦は気を降し腸をゆるくし、よく腸胃の滓穢積滞(しわいせきたい)を錬る」とあります。つまりお腹にたまったものを降ろしてすっきりさせ、新陳代謝により体内を清浄にして新年を迎えるということからそばを食べるようになったとする効能説。
実際、そばには毛細血管を強く丈夫にし、動脈硬化を予防する効果があるというルチンや、殺菌効果や抗酸化力が高いカテキンも多く含まれ、その他にも豊富な栄養素が含まれていて、美容と健康にもいい。
但しそばアレルギーは重篤な症状を起こす傾向が高いため注意が必要です。
福そば
昔の金銀細工師は散らかった金粉をそば粉を使って集めたことから、金を集める縁起で始まったとする説。
縁切りそば
そばは切れやすいことから、1年の苦労や災厄を綺麗に切る捨て、新しい年を迎えることを願い、大晦日の晩の年越し前に食べるようになったという説。
側(そば)にいよう
蕎麦(そば)と側(そば)とを掛け、一年の締めくくりである大晦日に家族でそばで食卓を囲むことで「来年もそばにいよう」という意味を込めたものとされる説。
地方によって違う年越しそばの食べ方
地域によって年越しそばの風習には違いがあります。
日本各地で地域ごと、さらには各家庭ごとで親から子へと受け継がれているのですね。
福井県の「越前そば」(おろしそばとも呼ばれる)
大根おろしがたっぷりかかっていて、冬でも冷たい麺のそばを食べるのが特徴
沖縄県の「沖縄そば」
小麦粉で作られる「沖縄そば」
沖縄そばは三枚肉やソーキ、紅ショウガなどをのせて食べるのが定番。。
香川県の「年越しうどん」「年明けうどん」
年越しそばの代わりにうどんを食べます。
岩手県の「わんこそば」
花巻・盛岡では年越しわんこそばを食べる習慣があり、歳の数だけ杯数を食べると長生きすると伝えられています。
北海道と京都府は「にしんそば」
魚の鰊をのせた「にしんそば」を食べます。
年越しそばを食べるタイミング
年をまたがない
食べる時間に明確な決まりはないようですが、年内に食べ終わるのが良いようです。
一年の厄災を断ち切るという意味で、翌年に持ち越さないようにしましょう。
除夜の鐘が鳴り始める頃には食べ終わって、新しい年をお迎えください。
年越しそばのネギも大事
ネギをかけて
・疲れをねぎらう
・祈ぎごと(ねぎごと)・・・願いごと、祈りという意味として
・お祓いしたり清めたりする神職の「禰宜 祢宜 (ねぎ)」
などの言葉をかけることで、「1年間頑張ってきたことをねぎらい、来年の幸せを祈って、心穏やかに新年を迎えよう」というわけです。
コメント