大和言葉の数の数え方

ことばから日本を知る

ひふみよ ー 大和言葉による数の数え方

日本に伝わる、日本古来の言葉である大和ことば。
数の数え方にも、古来の発音である大和ことばが現代に受け継がれています。
日本は古代から数を数えるとき、「ひ、ふ、み、よ、いつ、む、や、こ、と」と数えていました。
今でも、ものの個数を数えるときに、ひとつ、ふたつ、みっつと数えることありますよね。
ちなみに、よく使ういち、に、さん、よん、・・・という数え方の語源は漢語になります。
3世紀頃の古代中国から伝わってきた発音といわれています。

大和ことば|個数の数え方

1 ひとつ
2 ふたつ
3 みつ
4 よつ
5 いつつ
6 むつ
7 ななつ
8 やつ
9 ここのつ
10 とを

11 とを あまり ひとつ /とをまりひとつ
12 とを あまり ふたつ /とをまりふたつ
13 とをあまりみつ/とをまりみつ
14 とをあまりよつ/とをまりよつ
15 とをあまりいつつ/とをまりいつつ
16 とをあまりむつ/とをまりむつ
17 とをあまりななつ/とをまりななつ
18 とをあまりやつ/とをまりやつ
19 とをあまりここのつ/とをまりここのつ

ぞれぞれの桁は「あまり」または「まり」で続けます。
例えば、17「とをあまりななつ」は、簡略して「とをまりななつ」と読むこともあります。

20(廿) はた
21 はた あまり ひとつ/はたまりひとつ
22 はた あまり ふたつ /はたまりふたつ
23 はた あまり みつ /はたまりみつ
24 はた あまり よつ/はたまりよつ
25 はた あまり いつつ/はたまりいつつ
26 はた あまり むつ/はたまりむつ
27 はた あまり ななつ/はたまりななつ
28 はた あまり やつ/はたまりやつ
29 はた あまり ここのつ/はたまりここのつ

30(卅) みそ
31 みそ あまり ひとつ /みそまりひとつ

40(卌) よそ
41 よそ あまり ひとつ /よそまりひとつ

50 いそ
51 いそあまりひとつ /いそまりひとつ

60 むそ
61 むそ あまり ひとつ /むそまりひとつ

70 ななそ
71 ななそ あまり ひとつ /ななそまりひとつ

80 やそ
81 やそあまりひとつ / やそまりひとつ

90 ここのそ
91 ここのそあまりひとつ /ここのそまりひとつ

100  もも
101  もも あまり ひとつ

200 二百(皕) ふたほ
300 三百 みほ
400 四百 よほ
500 五百 いほ
600 六百 むほ
700 七百 ななほ
800 八百 やほ
900 九百 ここのほ
(「ほ」の部分の現代発音は「お」。例えば八百「やほ」は「やお」と発音します)

1 000 千 ち
2 000 二千 ふたち
3 000 三千 みち
4 000 四千 よち
5 000 五千 いち
6 000 六千 むち
7 000 七千 ななち
8 000 八千 やち
9 000 九千 ここのち


10 000 万 よろづ
20 000 二万 ふたよろづ
30 000 三万 みよろづ
40 000 四万 よよろづ
50 000 五万 いよろづ
60 000 六万 むよろづ
70 000 七万 ななよろづ
80 000 八万 やよろづ
90 000 九万 ここのよろづ

100 000 十万 とおよろづ
1 000 000 百万 ももよろづ
10 000 000 千万 ちよろづ

大和ことば|人数の数え方


「たり」が加わり、「ひとたり」「ふたたり」。
縮まって「ひとり」「ふたり」。

大和ことば|年数の数え方

「とせ」が加わわります。「ひととせ」「ふたとせ」。

大和ことば|歳の数え方

「ち」、「じ」が加わります。
「はたち」「みそち(じ)」。

10歳  十歳 とを
20歳 二十歳 はたち
30歳 三十路 みそじ
40歳 四十路 よそじ
50歳 五十路 いそじ
60歳 六十路 むそじ
70歳 七十路 ななそじ
80歳 八十路 やそじ
90歳 九十路 ここのそじ
100歳 ももじ
101歳 ももじ あまり ひとつ
110歳 ももじ あまり とを
115歳 ももじ あまり とをあまり いつつ

20歳だけは例外で二十路と書かずに、二十歳と書いて「はたち」と呼びます。

大和ことばー「ひふみよ」に込められた意味

言霊という言葉があるように、言葉には不思議な力が宿っていると信じられてきました。
古来より伝わるひふみ祝詞も、神秘の力が込められた言葉であるとされています。

ひふみ祝詞の最初に出てくる、大和ことばの数の数え方「ひふみよ・・・」にも、ある意味が込められているようなのです。
大和ことばの数の数え方にはどのような意味が込められているのでしょうか。
それは天地の成り立ち、命の成り立ちの様子があらわされているようなのです。

  1. ひ|日    光があり太陽が生まれ
  2. ふ|風(空気) 風が吹く
  3. み|水    水が世界を包み海が生まれ
  4. よ|世(大地) こうしてこの世が誕生した
  5. い|葦(植物) そして命が現れた
  6. む|虫
  7. な|魚
  8. や|鳥
  9. こ|動物
  10. と|人間

他にも色んな説があり、沢山の意味が考えられているようですが、どれが正解かはわかりません。
なんといっても、古代より日本に伝えられてきたものなので、その長い歴史の中で意味が転じていってもおかしくはありません。
しかし、何か根源的な、深い意味が込められていると考えられます。

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