一年の中で最も日がみじかく、夜が長くなるこの季節。
寒さが増すほどに空気が澄み、星空がもっとも美しい季節。
木枯らしが落ち葉を鳴らし、人々は冬支度をし始めます。
お世話になった方に感謝を伝えるお歳暮や、新しい年の準備など、冬の行事が目白押しで、楽しくもあり、忙しい季節でもあります。
この季節に出会う真っ白な雪景色は、冬ならではですね。
そんな冬にまつわる和語や、冬を連想する美しい言葉を集めてみました。
ところで 冬はいつから?
気象庁での区切り:12月・1月・2月。最も一般的に使われる秋の区分。
暦による区切り:立冬から立春 の前日まで。二十四節気に基づく節切りでの区分。
「暦の上では〜」と言うフレーズはこの区分による。俳句の季語もこれに基づいている。
旧暦(太陰暦)による月切りの区切り:十月・十一月・十二月
天文学上での区切り:冬至から春分まで。
ここでの「冬至」「春分」は、「冬至の日」「春分の日」ではなく太陽黄経が270°、0°になった瞬間。Wikipediaより。
年度による区切り:1月、2月、3月
冬を感じる日本の言葉|冬の季語
立冬(りっとう)
立冬はこよみの上で冬の始まりとされる日。
二十四節気の一つ、毎年11月7日または8日頃(2021年は11月7日 日曜日)。
冬の使者「木枯らし」がやってくる頃。
日々寒さが増すなかで、本格的な冬に向け準備を始める時期。
冬仕様の衣類や寝具、暖房器具などを準備する頃です。
炉開き(ろびらき)
冬、初めて炉を使うこと。初冬の季語。
昔は亥の子の日に「こたつ開き」をしていたとか。
陰陽五行で”亥”は、火を制する水にあたるため、亥の月・亥の日から火を使い始めると火事にならないとされていたそうです。
「こたつ開き」の日にならい、この日にこたつ、ヒーター、ストーブなどの暖房器具を出しておくと、縁起も良いようです。
茶の湯でも「亥の子の日」に炉開きを行います。
茶道での炉開きは、”茶人のお正月”と言われるほど特別なイベントとして位置付けられている日。
茶用の囲炉裏を開いて火を起こし、その年に摘み取られた新茶で新たな年を迎えるという感謝と喜びを分かち合う日なのです。
5月から10月まで閉じていた「炉」の中には火が入れられ、本格的な冬の訪れを感じさせてくれます。
「亥の子の日」の炉開きは「亥の月」の旧暦10月(=新暦11月)、最初の亥の日に行われます。
「亥の月」は旧暦10月のことで、現代では11月頃。「亥の日」は年によって異なります。
- 2021年11月11日(木)
- 2022年11月6日(日)
- 2023年11月1日(水)
- 2024年11月7日(木)
- 2025年11月2日(日)
「亥の刻」は21〜23時頃です。
小春日和(こはるびより)
晩秋から初冬にかけて訪れる、暖かくおだやかな晴天のこと。冬の季語。
帰り花(かえりばな)
十一月頃の暖かい日に、桜・山吹・ツツジなどが時ならぬ花を咲かせること。
木枯らし/凩(こがらし)
秋の終わりから冬の初めにかけて吹く、強く冷たい風。
木を枯らす風という意味。冬の季語。
初時雨 はつしぐれ
その冬初めての時雨。
さっと降ってはやんでしまう局地的な通り雨で、冬が来たと実感させる侘しさがあります。
玄冬(げんとう)
冬の季節を表す言葉。
陰陽五行にもとづくもので、春夏秋冬はそれぞれ「青春」、「朱夏」、「白秋」、「玄冬」と表されます。「玄」は訓読みで”くろ”。
玄冬という言葉は他にも、方角では北を、人生では60代後半以降の年代を表します。
冬至(とうじ)
二十四節気の一つで、1年のうちで、もっとも昼が短くなる日のこと。
冬至は天文学的にいうと、太陽の黄経(こうけい)が270度に達する日で、太陽が一番南にある状態。
そのため、北半球では1年のうちで昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日を意味します。
太陽の力が最も弱まった日を無事過ぎ去ったこと、そしてこの日を境に太陽の力が再び蘇るととらえ、古くから世界各地で冬至の祝祭が行われていました。
冬至は別名「一陽来復」と言い、長く寒い冬が去って、恵みの春がやってくることを願ったと言われています。
冬木立(ふゆこだち)
冬の落葉した木々のこと。
葉が落ちて、寒々とした枝ばかりの光景は、冬の物寂しい雰囲気を感じます。
裸木(はだかぎ)
葉がすっかり落ちて裸になった木。
冬枯(ふゆがれ)
草木が枯れ尽くし、荒涼とした景色。
山眠る(やまねむる)
もの寂しく、眠るように静まっている冬山の形容。
風花(かざはな)
小雪。風に舞ってちらちらと舞い落ちる雪のこと。冬の季語。
冬茜(ふゆあかね)
茜色にそまった冬の夕焼け空をいいます。
冬の季語である冬夕焼の子季語。
”夕焼け”だと、夏の季語になります。
より寒くなると、寒夕焼、寒茜という言葉が使われるようです。
若水(わかみず)
元日に初めて汲む水のこと。
若水を飲むことでその年の邪気を払えるとされています。
新年を表す季語の一つ。「福水」とも呼ばれます。
冬麗(ふゆうらら)
寒気は鋭いものの、日差しに暖かさを感じる、澄みきった晴天。
深雪(みゆき)
深く積もり、音を吸い込むような雪。
冬萌(ふゆもえ)
冬枯れの中、木の芽や草の芽など、緑の芽が萌え出している様子。
晩冬の季語。
冬の星にまつわる言葉
日本での冬は、星空がもっとも美しい季節。
冬の大三角を構成する明るい星などが見え、知名度の高い星座も多く、流星群も活発に見られます。
そんな冬の星に関する美しい言葉を集めてみました。
青星(あおぼし)
冬の星である、シリウスの和名。
寒昴 (かんすばる)
昴は牡牛座にあたるプレアデス星団の和名。冬の季語。
”すばる”はもともと日本語で、星が集まってひとつになるという意味。
六連星(むつらぼし)
プレアデス星団の和名である”昴”の別称。冬の季語。
冬の星 (ふゆのほし)
大気が澄んで、星がもっとも鮮やかに眺められる冬天の星のこと。冬の季語。
子季語として、冬星、凍星、星冴ゆる、寒星 があります。
荒星(あらぼし)
寒風吹きすさぶ、冷たく荒れた夜空に輝く星のこと。
冬の星の子季語。
枯木星(かれきぼし)
葉が落ちて見通しのよくなった枯れ枝の隙間から見える星のこと。冬の季語。
冬銀河
冬の夜空にかかる天の川のこと。冬に見える天の川は、夏の天の川よりも薄く見えます。
三つ星(みつぼし)
オリオン座の中央に並ぶ三つの星。からすき星。冬の季語。
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