桜にまつわる美しい言葉

ことばの雑学

日本の春の象徴である桜

寒い冬を越えて、春の訪れを知らせてくれる桜。
桜は日本人にとって特別な存在です。

日本での桜の人気度は圧倒的

日本の 国花 はみなさんご存知の

国花こっかとは:その国民に最も愛好され、その国の象徴とされる花

菊は皇室の紋章として、また日本のパスポートの紋章として使われています。
菊はまさに国を象徴する花。

一方、桜は日本で最も愛され親しまれている花。
日本人は古代、桜の花を豊穣の神が宿る木として大切にしてきました。
現代でも好きな花ランキングで圧倒的なNo.12019/11 日本リサーチセンター調べを誇っています。

ちなみに、桜をシンボルの花や木としている都道府県は

  • 東京都:シンボルの花/ソメイヨシノ
  • 山梨県:シンボルの花/フジザクラ
  • 京都府:シンボルの花/しだれ桜
  • 奈良県:シンボルの花/奈良八重桜
  • 山形県:シンボルの木/さくらんぼ
  • 宮崎県:シンボルの木/ヤマザクラ

です。


市町村に至ってはかなりの数の市町村が桜をシンボルとしています。

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桜の咲く季節を感じる、桜を使った風流な言葉

桜は、春になると蕾を開花させ、精一杯咲きほこったかと思えば、見事に一斉に散りゆく姿が美しくも儚く、毎年多くの人を魅了しています。

桜は、古来より日本で親しまれ文化として定着しているだけに、多くの桜言葉を生みだしました。
ここからは桜にまつわる言葉の一部をご紹介していきます。

1 花の成長や様子にちなむ桜言葉

初桜|はつざくら

その年に初めて咲いた桜の花。咲いて間もない桜の花。

桜の便り|さくらのたより

桜の花が咲いた様子を知らせる便り。桜便り。

朝桜|あさざくら

朝露を帯びて咲く、清らかで美しい桜。

桜雲|おううん

桜の花がたくさん咲いて雲のように見えること。花の雲。

花明かり|はなあかり

桜の花が満開で、闇の中でもあたりがほの明るいこと

若桜|わかざくら

生えてからまだ年数の経っていない木の桜。若木の桜。

花霞|はながすみ

遠くの所に群がって咲く桜の花が、一面に淡く霞がかったように見えるさま。

花の浮き橋|はなのうきはし

散った花びらが水の上に敷きつめられた様子を浮き橋に見立てていう言葉。

花の雲|はなのくも

桜の花が一面に咲いているさまを、雲にたとえていう言葉。

遅桜|おそざくら

季節遅れに咲く桜。遅咲きの桜。

徒桜|あだざくら

散りやすい桜の花。儚く散ってしまう桜の花。儚いもののたとえ。

桜吹雪|さくらふぶき

桜の花びらが、吹雪のように舞い散ること。

零れ桜|こぼれざくら

満開になって、散りこぼれる桜の花。

残桜|ざんおう

春が過ぎても、咲き残っている桜。

名残の花|なごりのはな

散り残っている花。とくに、桜の花を指す。残花。

葉桜|はざくら

花が散り、若葉が出はじめたころの桜。

花吹雪|はなふぶき

桜の花びらが吹雪のように無数に舞い散ること。花の吹雪。

飛花|ひか

風により、飛び散る花びら。とくに桜の花びら。

桜影 |さくらかげ

水辺に咲く桜が、川や湖の水面に移る様子

夕桜|ゆうざくら

夕方の山桜。夕方の山で見られる桜。

余花|よか
  1. 春に遅れて咲く花。とくに、初夏に咲く遅咲きの桜。
  2. 散り残っている花。残花。
冬桜(ふゆざくら)

冬に咲く早咲きの桜。寒桜かんざくら緋桜ひざくらなど。

花桜|はなざくら

桜の花。桜花。

花屑|はなくず

咲き終わった花が散り、地に落ちていること。散り落ちた桜の花びら。

2 花見に関連する桜言葉

観桜|かんおう

桜の花を観賞すること。花見。

桜狩り|さくらがり

桜の花を訪ね求めて観賞すること。花見。観桜(かんおう)。
「狩」は、訪ね求めるという意味。

桜前線|さくらぜんせん

日本各地のソメイヨシノの開花予想日を結んだ線のこと。
1967年(昭和42年)頃から用いられている造語。

桜人|さくらびと

桜の花を見る人。桜の花をでる人。

桜餅 |さくらもち

桜にちなんだ和菓子で、桜の葉で餅菓子を包んだもの。雛菓子の一つ。
桜餅には、大きく分けて関東の「長命寺ちょうめいじ」と、関西の「道明寺どうみょうじ」の2種類の桜餅がある。

薄い皮に餡を包み塩漬けした桜の葉で巻いたものが関東風の 長命寺餅 

道明寺粉で皮を作り餡を包んでまんじゅう状にした関西風の 道明寺餅 

花の宴|はなのえん

花、とくに桜の花を見ながら催す酒盛り。花見の宴。

花の賀|はなのが

春、花が咲くころに行なう賀の祝い。

花見(はなみ)

花、とくに桜の花を見て楽しむこと。観桜かんおう観花かんか

3 天候に関する桜言葉

花嵐|はなあらし

桜の花の盛りのころに吹く強い風。また、その風で桜の花が散り乱れること。

花風|はなかぜ

花が咲き乱れている所に咲く風のこと

花曇り|はなぐもり

桜の花が咲く頃の、薄ぐもりの天気。また、その時期の曇りがちの薄明るい日。

花の雨|はなのあめ

春、桜の花に降りそそぐ雨 。また、桜の花が咲くころに降る雨。

4 その他の桜言葉

桜色|さくらいろ

桜の花のような色。薄い紅色。

里桜|さとざくら

人里に咲く桜。

御階の桜(みはしのさくら)

左近の桜の異称。

吉野桜|よしのざくら
  1. 奈良県の吉野山に咲く山桜。
  2. ソメイヨシノの異名。
侘桜|わびざくら

わびしそうに立って咲いている桜。物静かに寂しく立って咲いている桜。

5 桜にちなんだ四字熟語

桜花爛漫 |おうからんまん

桜の花が満開になり、みごとに咲き乱れている様子。
満開の桜が咲く、3月中旬から4月上旬の時候の挨拶として使われます。

桜梅桃李|おうばいとうり

それぞれの花が、その特性を発揮して、花を咲かせること。
それぞれ独自の花を咲かせるように、他人と自分を比べることなく、個性を磨こうという教訓が含まれている。

6 桜の言葉を用いたことわざ

明日ありと思う心の仇桜あだざくら

明日も咲いているだろうと思っていた桜も、夜のうちに嵐が吹いて散ってしまうかもしれないという意味から、明日はどうなるかわからないという、世の中や人生の無常を説いたことば。

親鸞聖人しんらんしょうにんが詠まれたと伝わる和歌ー
『明日ありと 思ふ心の仇桜 夜半よわに嵐の 吹かぬものかは』の上句。

「明日でいい」という思いから、その機会を逃してしまう、
先延ばしをすることで、想いの強さは薄れていく、
また必ず明日があると思っていても、何が起こるかわからない、
今、このときが最も大切。

花は桜木さくらぎ、人は武士

花の中では桜が最も優れているように、人の中では武士が最も優れているということ。散り際の見事な桜に、潔い武士の死に際を重ねた言葉といわれています。

桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿

庭木の剪定法についての言葉で、桜の枝は切らずにおくのがよく、梅の枝は切るのがよいということ。

世の中は三日見ぬの桜かな

世間の移り変わりの早いことのたとえ。

動画でお花見気分

昨年から続くコロナ渦でお花見も行きずらくなりましたが、YouTubeのおかげでおうちでもお花見気分が味わえます。
綺麗な動画を厳選してご紹介します。おうち時間にお楽しみください。

オンライン花見|桜ドローンプロジェクト

4K 日本の桜名所|Discover Nippon

いかがでしたか?
最後に桜の花見文化に感動した外国人記者が書いた記事の内容が良かったので、こちらでもご紹介させていただきます。

日本では桜の季節をただのイベントではなく、
季節的文化イベントにすることで知られている。
桜を中心としたこの祭りは日本ではとても重要な意味を持っている。
春を歓迎する行事であり、刹那に散りゆく桜に
自然の美しさと儚さを実感し、思いを馳せる特別な日なのだ。
桜を鑑賞することが、日本文化において象徴的な意義を持つようになったのは8世紀にまで遡るという。

これまでに日本に行ったことがある人なら誰でも
この国が持つ細部へのこだわりと儀式への忠実さに度肝を抜かれたはずだ。
その丁寧さや礼儀正しさを見ていると、
桜が繊細で一期一会的であるように、
この日本的な文化との出会いの瞬間もまた、
二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであると感じた。
わたしは母国に帰った今もあの時の喜びと心地よさを思い出せる。
今日も、桜を見るたびに立ち止まりその美しさと儚さを祝福する。


出展:YouTube ”私は驚き感動した…。日本の春、桜の光景を見た外国人から羨望の声が!!【海外の反応】”

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