相田 みつを

名言 略歴と名言

プロフィール

相田 みつを(あいだ みつを)
1924年5月20日 – 1991年12月17日 栃木県足利市生まれ、享年67。
書家・詩人として、自分の「詩」が伝わりやすい書体を追求。
なにげない言葉に深い真理が隠され、書を見た人の心に沁み入る。
詩集「人間だもの」はベストセラーとなり、その名が知れ渡る。
遺言のような言葉を残して戦死した二人の兄、そして18歳の時に巡り会った足利市高福寺の住職、武井哲應老師との出会いが相田みつをの生き方、作品に影響を与えている。

私がこの世に生まれてきたのは、私でなければできない仕事が何か一つこの世にあるからなのだ。それが社会的に高いか低いかそんなことは問題ではない。その仕事が何であるかを見つけ、そのために精一杯の魂を打ち込んでゆくところに人間として生まれてきた意義と生きてゆく喜びがあるのだ

36歳の頃の書

 

あのときのあの苦しみも あのときのあの悲しみも みんな肥料になったんだなあ じぶんが自分になるための

死の前年の詩

 

長い人生にはなあ どんなに避けようとしても
どうしても通らなければ ならぬ道- てものがあるんだな
そんなときはその道を 黙って歩くことだな
愚痴や弱音を吐かないでな 黙って歩くんだよ
ただ黙って-
涙なんか見せちゃダメだぜ!!
そしてなあ その時なんだよ
人間としての いのちの根が ふかくなるのは・・・・・

 

だれにだってあるんだよ
ひとにはいえないくるしみが
だれにだってあるんだよ
ひとにはいえないかなしみが
ただだまっているだけなんだよ
いえばぐちになるから

 

人間はねぇ
人から点数を
つけられるために
この世に生まれて
きたのではないんだよ
にんげんはさき
点数は後

美しいものを、
美しいと思える
あなたの心が美しい。

つまづいたって
いいじゃないか
にんげんだもの

とにかく具体的に
動いてごらん…。
具体的な答が出るから。

 

かんがえてばかりいると日がくれちゃうよ

 

そのうち そのうち べんかいしながら日がくれる

 

うつくしいものを美しいと思えるあなたの心が美しい

 

あなたにめぐりあえて
ほんとうによかった
ひとりでもいい
こころから
そういってくれる
ひとがあれば

アノネ
にんげんはねえ、自分の意志でこの世に生まれてきたわけじゃねんだな
だからね、自分の意志で勝手に死んではいけねんだよ

ただいるだけで

あなたがそこに
ただいるだけで
その場の空気が
あかるくなる

あなたがそこに
ただいるだけで
みんなのこころが
やすらぐ

そんな
あなたにわたしも
なりたい

ただ

花には人間のような
かけひきがないからいい

ただ咲いて
ただ散ってゆく
からいい

ただになれない
人間のわたし

花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだ
なあ

 

何をやっても思うようにならない時 上にのびられない時に 根は育つんだから

 

アノネ
親は子供を
みているつもりだけれど
子供はその親をみているんだな
親よりも きれいな
よごれない 眼でね

 

人の為と書いて偽りと読むんだよなー

「憂い」                          

「憂い」

むかしの人の詩にありました
君看よ双眼のいろ
語らざれば憂い無きに似たり

憂いがないのではありません
悲しみがないのでもありません
語らないだけなんです
語れないほどふかい憂いだからです
語れないほど重い悲しみだからです
人にいくら説明したって
全くわかってもらえないから
語ることをやめて
じっとこらえているんです
文字にもことばにも
到底表わせない
ふかい憂いを
おもいかなしみを
こころの底ふかく
ずっしりしずめて
じっと黙っているから
まなこが澄んでくるのです
澄んだ眼の底にある
ふかい憂いのわかる人間になろう
重いかなしみの見える眼を持とう
君看よ双眼のいろ
語らざれば憂い無きに似たり
語らざれば憂い無きに似たり


相田みつを「じぶんの花を」(文化出版局)

[ 参考 ]

ーむかしの人の詩ー

千峯雨霽露光冷(せんぽう あめはれて ろこうすさまじ)
君看双眼色(きみみよ そうがんのいろ)
不語似無憂(かたらざれば うれいなきににたり)

大燈国師の句(千峯〜)に白隠禅師が続きの句(君看〜)をつけたもの。
良寛和尚が愛した句として有名です。

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